追悼 内田康夫先生 ~「孤道」など浅見光彦シリーズなどで活躍~ おすすめ作品をランキングで紹介

浅見光彦シリーズなどで大人気のミステリー作家の内田康夫先生が3月13日にお亡くなりになりました。内田康夫作品に魅了されてきた一人として、追悼の気持ちを込めて、特にお気に入りの作品を私の主観そのもので勝手にランキングしました。

あなたのお気に入りの作品はありますでしょうか・・・。

10位 「死者の木霊」

内田康夫先生のデビュー作。信濃のコロンボこと竹村警部と岡部警部の共演です。
この作品は初めて読んだときの衝撃が凄すぎて、しばらく食事が喉を通りませんでした。それくらい描写の力がすごく、映像が頭に自然と浮かんできたものです。

一人の田舎刑事の執念ともいえる捜査。その結果最後で解き明かされる真相。内田康夫作品の原点として、まずは手に取ってほしい1冊です。

9位 「明日香の皇子」

大東広告の社員・村久の恋人・恵津子が失踪し、謎の男が現れるが、男は村久の目の前で殺されてしまう。「アスカノミコ」という言葉を遺して。

現代の巨大企業と古代史ミステリーが融合したスケールの大きい作品です。大津皇子が好きで手に取った作品でしたが、いつの間にか惹きこまれていました。

8位 「風の盆幻想」

富山県八尾。幽玄な唄と踊り「おわら」で人々を魅了する風の盆。この本番8日前、老舗旅館の若旦那が死体で発見された。この事件、自殺で終わりとなりそうであったが、それに疑問を感じた浅見光彦は友人の作家、軽井沢のセンセこと内田康夫氏と謎の解明に乗り出すが…。

そう、これは内田康夫先生自信が登場する作品です。

作品内ではちょっとお茶目で愛すべきキャラクターとして描かれている内田康夫氏。浅見家では若干煙たがれていますがなかなかイイ味出している登場人物です。

7位 「パソコン探偵の名推理 」

超爆笑短編集。重厚な社会派ミステリー、壮大な歴史ミステリー等を手掛ける内田康夫先生の幅広さを見せつけられる1冊です。名門現代学園のハテナクラブが生みだしたお化けパソコン「ゼニガタ」が所長の鴨田英作と難事件を解決するのですが、パソコンのはずの「ゼニガタ」になんとも人間らしい親しみが沸いてきます。

6位 「少女像は泣かなかった」

毎朝涙を流す少女の像。その持ち主が謎の自殺をしたその朝だけ涙を流さなかった…その謎に挑むのは両親を亡くした車いすの少女橋本千晶。彼女の卓越した推理力だけでなく、彼女と娘を失った捜査の鬼・河内刑事のあたたかい交流に心温まる1冊です。

5位 「佐用姫伝説殺人事件」

浅見光彦が母雪江の名代として訪れた陶芸家佐橋登陽の個展会場で出会った評論家景山秀太郎が殺され、死体上には黄色い砂がまかれていた。そして、「佐用姫の……」と書かれたメモが残され…

分類としては旅情ミステリーとなるのでしょうか。正統派ミステリーという感じで、読み応え十分の1冊です。

4位 「熊野古道殺人事件」

推理作家の内田康夫が浅見光彦と共に補蛇落渡海(ふだらくとかい)の再現を取材しに行き事件に巻き込まれ…
軽井沢のセンセが登場です。センセ、大活躍です。浅見光彦は最後トホホとなりますが(^_^;)宗教的側面にも迫った重厚さの中にも軽妙さも忘れない1冊です。

3位 「箱庭」

義理の姉和子さん宛てに届いた写真に脅迫めいた言葉。相談を受けた浅見光彦は独自の捜査に乗り出した。中国地方を舞台にした文芸ミステリー。ストーリーはかなり複雑で、終盤まで繋がりきれないエピソードの糸がいっきに最後に開けていく、読み応え抜群の1冊です。

2位 「斎王の葬列」

斎王伝説を題材にした映画の撮影中に付近のダムで男性の水死体が発見され、容疑がロケ隊のメンバーにかかってしまう。監督の白井は高校時代の旧友、浅見光彦に嫌疑を晴らして欲しいと依頼するが、その直後に第二の殺人が発生し…

歴史と悲しい恋の物語を織り交ぜた1冊。

斎王(さいおう)とは伊勢神宮または賀茂神社に巫女として仕えた未婚の内親王(皇女)のこと。

斎王制度の最初は大伯皇女(天武天皇の娘、大津皇子の同母姉)。壬申の乱に勝利した天武天皇が戦勝祈願をした天照大神に感謝し、神に使える御杖代(みつえしろ)として伊勢に派遣したことに始まります。

斎王制度は660年以上続き、60人以上の斎王がいますが、天皇がかわるまでその任は解かれることなく、1年のほとんどを斎宮で過ごします。神に使えるがゆえに恋人と引き裂かれたり、恋そのものも許されなかったり…。

そんな歴史的背景も一緒に味わうとより一層深みの増す作品です。

1位 「沃野の伝説」

信濃のコロンボこと竹村警部と浅見光彦の共演作品。米問題に迫った社会派ミステリーです。
事件のきっかけは浅見光彦の母雪江さんの「米穀通帳はどこに行ったのかしら?」。雪江さんは自ら調査に乗り出しますがその調査で電話をかけた坂本という人物がその直後に殺害されます。いつもは「探偵ごっこはやめなさい」と母に注意される浅見光彦ですが、今回ばかりは「事件を調べなさい」と母からの特命で動き始めます。

事件は米市場をめぐる巨大な闇へと突き進みますが、その過程での竹村警部と浅見光彦の連携がなんとも心地よく嬉しくなってしまうのです。

いろいろと考えさせられた1冊。発売と同時に読んだので初読からかなり経ちましたが、何度でも読みかえしてしまうお気に入りの1冊です。

おわりに

内田康夫先生は2015年に脳梗塞を発症後、毎日新聞で連載していた「孤道」を一時休止。しかし2017年、執筆活動が難しくなったと休筆宣言をし、「孤道」の結末を募集しました。

その締め切りを待たずに(締め切りは2018年4月末)旅立っていった内田康夫先生。

浅見光彦、竹村警部、岡部警部、福原警部、橋本千晶、鴨田英作etc愛すべきキャラクターたちに長きに渡り楽しませていただきました。

もう新しい作品を読むことができないのかと思うと残念でなりません。先生のご冥福をお祈りするとともに、これからも何度も読んで内田康夫ワールドを楽しんでいきたいなと改めて思いました。

良作は何度読んでも新しい発見の連続ですから。

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